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コラム 認知症予防と食事


食事は必ず毎日摂るものですが、その摂り方により認知症の予防・発症の抑制ができることが分かっています。
認知症の中でも 一番患者数の多いアルツハイマー型認知症には食習慣が深く関係しているため、予防に努めれば認知症のリスクを軽減できます。


Mendez & Cummings "Dementia - A Clinical Approach" 3rd edition, 2003


青魚を食べて認知症改善?!

青魚の油にはn-3系不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA、ドコサヘキサエン酸(DHA)が多く含まれています。
アルツハイマー病患者にはアミロイド斑(老人斑)が多くみられます。脳内にアミロイド斑(老人斑)ができるとそれを処理しようと免疫細胞が働き始めます。すると免疫細胞はアミロイド斑(老人斑)だけでなく正常な神経細胞も攻撃してしまいます。そして脳の神経細胞が炎症を起こします。
ところが、DHAはそれを修復する力を持つことが分かっ たのです。年齢を重ねて脳にアミロイド斑(老人斑)ができていても魚を1日120g食べていた人はアルツハイマー病を発症せず、発症しても1/5程度だということも分かっています。EPA・DHAの積極的摂取はアルツハイマー病発症を予防できる栄養素の一つです。

EPAが多いランキング DHAが多いランキング
1 養殖ハマチ 1 まぐろ(トロ)
2 いわし 2 養殖マダイ
3 まぐろ(トロ) 3 ブリ
4 サバ 4 サバ
  5 養殖ハマチ

他にも肉類中心の食生活から魚類中心の食生活へ切り替え、さらにDHA製剤も服用した結果、簡便な脳機能テスト(MMSE)で19点だったのが最大25点まで回復の結果も報告されています。
治療しないと通常では2年で5〜6点は下がるといわれているテストで点数が上昇したのは魚やDHAの力が関係しているといえるでしょう。
脳の神経細胞は生まれてから増えることはなく、年齢とともに減っていく一方ですが、DHAを十分にとり、絶えず脳に刺激を与えると残った神経細胞を活性化でき、老化や物忘れも予防できます。
青魚を食生活に取り入れて、脳を元気にしましょう。


ビタミンEとCを一緒に摂ろう!

ビタミンEには老化の原因となる過酸化脂質が作られるのを防ぐ働きがあります。ビタミンCには肌の張りを保ち、シミや小じわを防ぐ・発がん物質の生成を抑える・ウィルスや細菌に対する抵抗力を高めるなど多くの働きがあります。
アメリカの医師らによって過酸化物質とアルツハイマー病の疫学調査ではビタミンEとCの栄養補助剤を一緒に飲んでいる人は、アルツハイマー病になりにくいことが分かっています。


ビタミンC・Eが同時に摂れる食材 キウイフルーツ
さつまいも


和食がオススメ!

まずはバランスの良い和食を基本とした食生活を心掛けましょう。ミネラルやビタミンの豊富な野菜・海藻・大豆製品・魚などの良質なたんぱく質を積極的に取り入れ、炭水化物・糖分・塩分を控えめに摂ります。
和食は世界的にも注目されている健康食であり、認知症の原因となりうる糖尿病・高血圧などの生活習慣病の予防や認知症発生リスクも低下させるといる報告もあります。和食を取り入れ、脳や体をいつまでも元気に保ちたいものです。


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