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コラム 認知症と生活習慣病

生活習慣病とは運動、飲酒、食事、喫煙など、その病状が生活習慣に起因している病気のことを指します。主に以下のようなものがあります。

1.高血圧
2.糖尿病
3.脂質異常症
4.肺癌や大腸癌など一部のがん
5.心疾患、脳卒中など

認知症に代表されるアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症の発症およびその後の経過には、生活習慣病が大きく関与していると考えられています。


高血圧

高血圧があると動脈硬化が進行することが広く知られています。高血圧により動脈硬化が進行すると脳卒中のリスクが増大し、脳血管性認知症を発症しやすくなります。日本で行われている認知症に関する研究に久山町研究というものがあります。以下の図は高血圧と血管性認知症の発症リスク(相対危険度)を表しています。


高血圧のレベルが高い程、将来の脳血管性認知症発症リスクが上がることが分かります。また、近年、血圧の日内変動が認知症の発症に大きく関わってくることも知られてきました。高血圧の治療では、単に血圧を下げる降圧療法だけでなく血圧の日内変動を抑える治療も重要と考えられています。


糖尿病

糖尿病は脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症の発症率が大きくなることが同じ久山町研究により示されました。正常、空腹時の血糖異常、食後に血糖が過剰に上昇する耐糖能異常(IGT)、糖尿病に分類して比較した結果、糖尿病があると正常よりも脳血管性認知症を1.8倍、アルツハイマー型認知症を2.1倍発症しやすくなることがわかりました。



脂質異常症

動脈硬化の危険因子である脂質異常の管理は大変重要になります。脳血管性認知症の発症予防につながるだけでなく、アルツハイマー型認知症においても、悪玉コレステロールが認知症の進行を加速するという報告もあります。


喫煙

久山町研究によると中年期から老年期における喫煙はアルツハイマー型認知症の発症を2.0倍、脳血管性認知症の発症を2.9倍にすることがわかりました。また同時に老年期における禁煙が認知症の発症を抑制することがわかりました。


以上のように生活習慣、および生活習慣病は大きく認知症の発症や進行に関わっていることがわかります。
認知症に合併した生活習慣病の厳格なコントロールは認知症の進行抑制につながります。
当院の内科外来でも認知症に合併する生活習慣病の積極的な治療をすすめています。



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